「Pythonの開発環境ってたくさんあるけど、どれがいいですか?」
「初心者だけど、どうせなら自分でこだわりの開発環境を構築したい。」
「VSCodeを使うメリットって何。」
この記事は、Pythonの学習を始めた方や、開発環境で悩まれている方に向けて書いています。
今から開発環境を構築するなら、無料かつ、たくさんのプログラミング言語に対応しているVisual Studio Code(VSCode)がおすすめです。
この記事では、その理由や以下について解説します。
- そもそもIDEとは?VSCodeって?
- VSCodeを使うメリット
- 環境構築の仕方
「偉そうに語るおまえは誰やねん。」と思われるので、私のことも少し紹介させてください。
たいらーのプロフィール
- 文系四大出身。ソフトウェア開発の経験はなしですが、IT業界に身を置いています。
- 開発者やユーザーとのパイプ役など、業務にプログラミングスキルを活かす。
- Pythonは独学で習得。スクレイピングや作業の自動化などに勤しんでいます。
プログラミングをはじめた当初から、VSCode使ってますが、特に不便を感じたことはなく、今でも愛用しています。
初心者の場合、自分の適性を見極めるまでは、無駄にコストを払いたくない気持ちがあると思います。
その点、VSCodeは無料なので、どなたでも気軽に使うことができます。そして無料であるにもかかわらず、拡張機能も豊富です。なので自分の好みに合わせてカスタマイズできます。
これを機にVSCodeを使ってみてはいかがでしょうか。
1.そもそもIDEとは?VSCodeとは?
環境の構築方法を説明する前に、IDEとVSCodeって何?という疑問にお答えします。
まずIDEとは、Integrated Development Environmentの略で、日本語では、統合開発環境と訳されます。統合されている開発環境という意味です。
以上で説明を終えてもいいのですが、何が統合されてるの?って感じですよね。
IDEは、雑な言い方をすると、ソースコードを記述するソースコードエディター、ソースコードをコンピュータが解釈・実行できる形に変換するコンパイラー、プログラムの欠陥を発見し修正するデバック作業を支援するデバッガーなど、開発に必要なソフトウェアで構成されています。
他に開発を支援してくれるソフトウェアが統合されているIDEもありますが、基本的に上記のソフトウェアで構成されます。
VSCodeとは、正式にはVisual Studio Codeという、Microsoftが提供しているソースコードエディターです。
厳密にはIDEではないですが、拡張機能が充実しているのでIDEに近い開発環境を提供してくれます。
2.VSCodeを使うメリットとデメリット
ここからは、VSCodeのメリットとデメリットについて解説します。
解説の過程で、VSCodeの特徴を理解してもれえると思います。
ちなみに私はMicrosoftの回し者ではありませんので、この記事を読んで「なんかちがうなぁ。」と思ったらスルーしてもらって構いません。
【メリット1】たくさんのプログラミング言語に対応
VSCodeはたくさんのプログラミング言語に対応しています。
今回はPythonを使用する人向けに書いていますが、他の言語も触ってみたいなと思った場合でも、VSCodeを使用していれば、いちいちエディターを学び直したり、切り替える必要がありません。
私は、Python,CSS,HTML,C#を使うことが多いのですが、VSCodeひとつでコーディングしています。
対応しているプログラミング言語の一例
C++ ,C# ,CSS ,HTML ,JavaScript ,Java ,PHP ,Python ,Ruby ,Visual Basic…
【メリット2】利用者が多い
Stack Overflowというナレッジコミュニティサイトによる2021年の調査では、VSCodeが使われている開発環境の第1位を獲得しています。
この調査結果がすべてだというつもりはないですが、「VSCode シェア率」で調べた感触だと、人気の高さをうかがい知ることができます。
Integrated development environment 資料元:. Stack Overflow
利用者の多さは、製品の寿命に影響します。
長く使えることが分かれば、VSCodeにかけた学習コストは無駄にならず、安心して日々の業務に集中することができます。
また、利用者が多いと、それに応えるようにMicrosoftがメンテナンスとアップデートを定期的に実施してくれるので、長期間かつ安定的に利用することができます。
【メリット3】拡張機能が豊富
数十行コーディングして実行する。みたいな学習の初期段階であれば、IDEにこだわる必要はないかもしれません。メモ帳で十分でしょう。
ただ、実際にプロダクトを作成するとなると、自身に様々な要求が出てきます。
- コーディングの精度を上げたい。
- テストしつつ、コーディングしたい。
- デバッグを効率よく行いたい。
などなど。挙げればきりがないです。
これらを実現してくれるのが拡張機能で、VSCodeにはそれが揃っています。というか、これらが揃っているからこそ、エディターの域にとどまらずIDE並みの実力があり、高い人気を得ているのです。
【デメリット】特になし
デメリットについては、あまり思いつきませんでした。すみません。
調べてみると次のようなことが挙げられますが、私は大規模開発にかかわった経験がないので、正確なことが言えません。
ただ、Git・GitHubと連携ができるので構成管理はできますし、VSCode自体も拡張機能を使えば、共同作業することは可能なので、全くの不向きという話ではないのかなと思います。
Pythonについては、コンパイルは不要ですし…。
Pylanceなどの拡張機能を使えば、VSCode上で実行結果も得られるので、問題ないと思います。
考えられるデメリット
- 大規模な開発には向いてない
- 基本的にVSCode単体では、コンパイルできない。
3.VSCodeで環境構築
最後に環境構築の仕方について説明して終わりたいと思います。
使ってみようと思った方は、手順に沿って、実際に構築してみてください。
VSCodeのダウンロード
以下にアクセスしまし、VSCodeをダウンロードしましょう。
「Download」を押すと次のような画面が表示されると思うので、使用してるOSのボタンを選択します。
選択して、しばらくするとダウンロードがはじまります。今回はWidowsOSを前提に話を進めます。
VSCodeのインストール
VSCodeのダウンロード先を確認しましょう。
次のようなファイルがあると思うので、ダブルクリックなどで実行してください。
実行すると次のような画面が表示されます。
「同意する」にチェックを入れて、「次へ」を選択します。
インストール先の指定画面、スタートメニューフォルダの指定画面では、特に変更がなければ、道なりに「次へ」を選択します。
追加タスクの選択画面では、以下の2つにチェックを入れ、「次へ」を選択します。
- エクスプローラのファイルコンテキストメニューに[Codeで開く]アクションを追加する
- PATHへの追加(再起動後に使用可能)
インストール準備完了画面が表示されるので、内容を確認し、「インストール」を選択しましょう。
次のような画面が表示されれば、インストールは完了です。
スタートメニューからVSCodeを起動してみましょう。起動できれば正常にインストールが完了しています。
Pythonのための設定
VSCodeを起動したら、以下を設定していきましょう。
・日本語化する
VSCodeのデフォルト表示は英語のため、日本語に設定します。
以下の画面のように、左端下の機能拡張ボタン(ブロックのようなアイコン)を選択し、テキストボックスに「japanese」と入力してみてください。
「Japanese Language Pack for Visual Studio Code」が表示されると思いますが、これがVSCodeを日本語化するプラグインです。右下の「Install」を選択するとインストールが始まります。
インストールが終わると、画面右下に「Restart Now」と表示されるので押します。
VSCodeが自動で再起動し、日本語表記になっていれば設定は終了です。
(自動で再起動しない場合は、手動で再起動してください。)
・Pythonを使えるようにする
VSCodeでPythonが使用できるように設定します。
日本語化した手順と同じ要領で、機能拡張ボタンを選択し、テキストボックスに「Python」を入力します。
すると次のプラグインが表示されるので、「Install」を押しましょう。
「拡張機能:Python」に表示されている情報に「アンインストール」が表示されていれば、設定は終了です。
ちなみに、Pythonをインストールすると、Pylanceもセットでインストールされるので、Pythonでコーディングした際の入力支援や、実行結果の確認をVSCode上に表示することができます。
Pythonでコーディング&実行
環境構築が正常にできたか確認します。試しにコーディングし、VSCode上で実行したいと思います。
手順は次のとおりです。
1.PCのデスクトップに「Sample」フォルダを作成します。
2.メニューから[ファイル]‐[新しいファイル]を選択し、新しいソースファイルを作成します。
3.次のようなコードを記述します。
aisatsu = "Hellow Python" print(aisatsu)
4.メニューから[ファイル]‐[保存]を選択します。
5.手順1で作成した「Sample」フォルダを指定し、「Hello.py」と名前を付けて保存します。
6.画面右上の三角マークを選択し、プログラムを実行します。
画面下のターミナルに実行結果が表示されていれば、環境構築は成功です。
以上、これからPythonを始める方、開発環境に悩まれている方に向けて、導入メリットと環境構築の方法を解説しました。
環境構築は、紹介した手順だと約30分もあれば設定できます。もし、嫌ならアンインストールではい、終了です。
ですので、はじめるのもやめるのも負担は少ないと思います。
開発環境をどうしようか迷っている方は、あまり考えすぎるのも時間がもったいないので、とりあえず使ってみるくらいの気持ちで導入してはいかがでしょうか。
ご清聴ありがとうございました。
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