
「Pythonで業務効率化ができるって聞くけど、なぜPythonなの?」

「私が担当している、この単調な作業、何とかならないかなぁ…。」
上記の疑問にお答えします。
日々の業務に潜む単調な作業や繰り返し作業は、Pythonを使って自動化することで効率化できます。
「仕事に優劣はない。」といいつつも、実際に担当する人は、「これ、私がやる必要あるのかな。」と感じながら、とりあえず作業。
うっかりミスでもしようものなら、モチベーションはどん底です。
そんな誰もやりたがらないルーチンワークこそ、コンピューターに任せましょう。
この記事では、Pythonによる業務効率化・自動化について、具体的に次のことを解説します。
- 業務効率化について
- 業務効率化・自動化になぜPythonなのか
- Pythonで業務効率化できること
「偉そうに語るおまえは誰やねん。」と思われるので、私のことも少し。
私のプログラミング歴は約5年で、本職での開発経験はありませんが、一応、IT業界に身を置いています。
今でもPythonなど、独学でプログラミングを勉強しつつ、そのスキルを活かして仕事の効率化を図ったり、ゲームをつくったりしています。
この記事を読んで、Pythonで効率化がイメージできそうな業務があれば、すぐに取り組みましょう。試しに、自分の業務から改善を図るのもいいかもしれません。
1.業務効率化とは
Pythonによる業務効率化を説明する前に、まず、そもそも業務効率化とは何かについて整理しておきたいと思います。
ここを理解しておくと、どんなかたちでPythonが活用できるのかイメージしやすくなります。
業務効率化とは、簡単にいうと、「業務プロセスのムリ・ムダ・ムラをなくすこと。」です。
分かるような分らんような話だと思うので、それぞれ説明します。
ムダ:不要な工程や業務にコストを払い、資源が有効活用できていない状態
ムラ:時期や人によって業務の偏りがあり、生産性が一定でない状態
「ムリ」は、仕事量の見積もりが甘く、設定した期限が厳しくなり、締め切りに追われて作業している状態を想像してもらうと分かりやすいと思います。
「ムダ」は、形骸化している会議や業務など、「なんでこれが必要なの?」と多くの人が感じながらも、誰も理由を説明できないお仕事などです。
「ムラ」は、期末や年末の職場をイメージしてもらうと分かりやすいかもしれません。
普段は平穏だった職場も、納品やら決算やら、特定の時期になると必要な業務が上積みされて、みんなヒイヒイいっている…。時期によって仕事量が変わる部署などがそうです。
業務効率化とは、これら「ムリ・ムダ・ムラ」をなくして業務を改善しましょう。という話です。
社員が「単調で面白くない。」や「作業量が多くてつらい。」など、意欲が湧かないまま作業に取り組むことは、後回し、やり忘れ、入力ミスといった人的なミスを誘発しかねません。
業務効率化を進めることは、負担になっていた業務から社員を解放し、能力が発揮できる業務につける機会を増やすことができます。結果的に社員のモチベーション向上につながります。
会社としても、労働時間の短縮や業務の最適化でコストを削減することができれば、会社全体の生産性を上げることが可能です。
社員や会社にとって、業務効率化がもたらすメリットは大きいのです。
2.業務効率化・自動化になぜPythonなのか
ここまで、そもそも論にお付き合いいただきました。
では、なぜ業務効率化にPythonなのか。その理由について解説していきます。
理由は3つあります。
・ビジネスツールに対応したライブラリが豊富
・学習のハードルが低い
・主要OSに対応している
Pythonの開発環境はマルチプラットホームに対応しているので、主要なOSであるWindows、Mac、Linuxで使うことができます。
Windowsのパソコンを導入している企業が多いと思われますが、どのOSを使っているかに関わらずPythonを使うことができます。
・ビジネスツールに対応したライブラリが豊富
ライブラリとは、様々な機能をひとまとめにしたものです。Pythonにはたくさんのライブラリが用途に応じて準備されています。
ビジネスシーンで使われるツールとして、次のツールが挙げられると思いますが、それぞれ対応するPythonのライブラリが存在します。
ツール | 主なライブラリ |
---|---|
Word | Python-docx |
Excel | OpenPyXL |
PowerPoint | Python-pptx |
PDFMiner、pdf2docx | |
メール | smtplib、imaplib |
ブラウザ | Selenium、BeautifulSoup |
具体的な説明はこの後しますが、ライブラリを使うことで、面倒な作業を自動化することが可能です。
また、ライブラリ使うことで、開発に必要な機能を一からつく必要がなくなるので、効率よく開発を進めることができます。
・学習のハードルが低い
Pythonは、「読みやすく、効率のよいコードを簡単に書けるようにする。」というプログラムの思想を反映してつくられたため、文法がシンプルで可読性の高いプログラミング言語です。
そのため、プログラミング未経験者でも理解しやすく、関連する書籍やWebサイトも多く情報収集しやすいため、初心者にとって学習ハードルの低いプログラミング言語だといえます。
以上のように、Pythonは代表的なビジネスツールのライブラリが揃っているため、自動化を図るのに向いています。
また、導入や学習にかかる手間やコストも他の言語に比べ少ないので、内製やメンテナンスもしやすいです。
3.Pythonで業務効率化できること
では、最後にPythonでどんなことができるのか、次のツールについて具体的に紹介して終わりたいと思います。
・Excel
・PowerPoint
・メール
・ブラウザ
・Word
PythonでWordを扱う場合、python-docxというライブラリを使用します。
python-docxを使えば次のようなWordの操作を自動化することができます。
- 文書の新規作成
- 文書の読み込み
- 文書の保存
- 文章作成やスタイル設定
- 表の値の変更、スタイル設定
- 図の追加、サイズ変更
など
例えば、他のファイルに転記する作業が自動化できそうですね。
・Excel
PythonでExcelを扱う場合、OpenPyXLというライブラリを使用します。
Excelを操作するライブラリは、他にもいくつかありますが、OpenPyXLがよく使われています。
OpenPyXLを使えば次のようなExcelの操作を自動化することができます。
- ワークブックの新規作成
- ワークブックの読み込み
- ワークブックの保存
- シートの新規作成、読み書き
- セル編集
- 画像の挿入
など
Excelで自動化といえば、VBAとマクロが有名ですが、このOpenPyXLでも同じように、データ集計などを自動化することができます。
また、OpenPyXLは他のツールと連携して自動化することもできるので、アイデアはふくらむかもしれません。例えば、前出のWordのpython-docxと一緒に使うことで、ExcelのデータをWordに入力するなど、ツールを横断して自動化することができます。
・PowerPoint
PythonでPowerPointを扱う場合、python-pptxというライブラリを使用します。
python-pptxを使えば次のようなPowerPointの操作を自動化することができます。
- プレゼンテーションの新規作成
- プレゼンテーションの読み込み
- プレゼンテーションの保存
- スライドの追加
- テキストボックスの追加と編集
- 図形の追加と編集
など
定例会などで使用する資料なんかは、数字や報告内容だけ更新することが多いと思います。
根拠となる数字をExcelやCSVなどで集計しているなら、そのデータを転記するなどの単純作業は自動化できそうです。
PythonでPDFを扱う場合、PDFMinerやpdf2docxというライブラリを使用します。
PDFMinerは、PDFのテキスト抽出するためのライブラリです。このライブラリを使えばテキストの抽出作業や転記作業が自動化できます。
pdf2docxは、PDFをWordに変換するためのライブラリです。このライブラリを使えば、たとえ大量のPDFであっても、プログラムするだけで複数のWordに変換することができます。
・メール
Pythonでメールを扱う場合、smtplibやimaplibというライブラリを使用します。
それぞれメールサーバーに接続して、次のような操作を自動化することができます。
・メール送信
・メール受信
特定のメールアドレスに定型文を返信している場合など、自動化ができそうです。
・ブラウザ
Pythonでブラウザを扱う場合、SeleniumやBeautifulSoupというライブラリを使用します。
Seleniumを使えば次のようなブラウザの操作を自動化することができます。
・クリック
・フィールドへのテキスト入力
・フォームの送信
など
よくWeb開発界隈では、開発中や実装後に行われるテストの自動化に使われます。
人が付き切りでやる必要がないので、長時間、昼夜問わずテストすることができます。
BeautifulSoupは、Webサイトに掲載されている情報を収集、加工するときに使用されるライブラリです。このWebサイトからデータを取得、加工する技術のことをWebスクレイピングといいます。
大量のデータを集め、分析する市場調査やマーケティングなどで役立ちます。
4.まとめ
以上、Pythonを使った業務の効率化・自動化について解説しました。
Pythonが、ビジネスシーンにおいて有用であることがお分かり頂けたと思います。
Excelなどビジネスツールを操作できるライブラリが充実しているので、あなたの業務を自動化することで効率化を実現してくれます。
学習しやすいプログラミング言語でもあるので、ぜひ挑戦しみてください。
職場にあるルーチンワークを見直し、不幸の目を摘みましょう。
Pythonによる自動化について、もっと詳しく知りたい方に向けて、おすすめの本を紹介しています。
興味のある方はご覧ください。
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ご清聴ありがとうございました。