
「if文を使いたいけど、わかりません…」

「for文で使えると便利って聞いたけど…」
Pythonでif文・for文を使いたいけど、よく分からないなというかた向けに書いた記事です。
if文・for文の構文など基礎的なことをサンプルコードをお見せしつつ、解説します。
この記事を読んで、手を動かしていただければ、最終的にif文・for文を使用できるようになります。
1.if文とは
ある条件に従いものごとを処理する。これがif文です。
Excel関数のifと考え方は同じで、例えば「条件が一致するときにAという処理をする。それ以外は処理を終了する。」というように、条件ごとに処理を変えたいときに使います。
・Pythonにおけるブロック定義の作法
Pythonでif文や後述するfor文を書くときは、ひとつ注意しなければならないことがあります。
それは「インデントでブロックを定義する。」です。
Pythonでは、if以下の処理をインデント(字下げ)することで、「ここはif文の処理だよ。」とコンピューターに分かるようにする必要があります。(あくまでPythonの話です。プログラミング言語によって作法が異なります。)
先ほど例に挙げた「条件が一致するときにAという処理をする。それ以外は処理を終了する。」を実際に記述すると以下のようになります。
name = input() if name == "Taro": print("こんにちは") #if以下の処理はインデントして記述する
インデントせずに記述すると、エラーになるので注意しましょう。
・if文でよく使う比較演算子、ブール演算子
if文でよく使用する比較演算子とブール演算子をまとめておきます。
比較演算子は、2つの値を使用してブール値(True/False)を返します。
ブール演算子は、ブール値の組み合わせを評価し、ブール値(True/False)を返します。
比較演算子 | 説明 |
== | 等しい |
!= | 等しくない |
< | より小さい |
> | より大きい |
<= | 以下 |
>= | 以上 |
ブール演算子 | 説明 |
---|---|
And | 二項のどちらもTrueのときTrueを返し、それ以外はFalseを返す。 |
OR | 二項のうち少なくともどちらかがTrueのときTrueを返し、どちらもFalseのときにFalseを返す。 |
Not | ブール値を反転させる。 |
・条件分岐の種類(else/elif else)
if文の種類としてelseとelif else があります。
それぞれ複雑な条件で分けて処理をしたいときに重宝するので、覚えておきましょう。
・if else
If文だけでは、条件に一致したときの処理しかしません。不一致だった場合の処理をさせたい場合に、else文を使用します。
例えばこんな感じです。
name = input() if name == "Taro": print("こんにちは") else: print("さようなら") #不一致(False)だったときの処理
・if elif else
if文だけでも、複数の条件で処理を分けることができますが、elif else文を使用したほうがすっきりとした記述ができます。
例えばこんな感じです。
name = input() if name == "Taro": print("こんにちは") #if以下の処理はインデントして記述する elif name == "Jiro": print(”こんにちは次郎さん”) elif name == "Saburo": print(”こんにちはサブちゃん”) else: print("さようなら") #不一致(False)だったときの処理
2.for文とは
ある処理を繰り返し実行(ループ処理ともいう)する。これをfor文といいます。
同じことを繰り返し人がやると面倒だったり、ヒューマンエラーが起きたりとデメリットがありますよね。コンピューターに置き換えることで単純作業から解放されるだけでなく、ミスも起こりにくくなります。
面倒な繰り返し作業は、for文を使ってコンピュータにさせましょう。
・for文の基本形(for 変数 in オブジェクト)
まず、for文の基本形「for 変数 in オブジェクト」について説明します。
上記のオブジェクトとは、for文で繰り返す範囲を指定しています。
for文の変数は、繰り返す対象のデータを入れておく作業用の変数です。アルファベットの“i”や“j”がよく使われます。
次のソースコードでは、リストに格納されているデータの分(=繰り返す範囲)だけ、変数iに渡されたデータをprint文で繰り返し表示しています。
list = [a, b, c] for i in list: print(i) #実行結果 a b c
・指定した回数分を繰り返す(range関数)
処理を繰り返す回数を指定して実行する書き方です。
range関数を使って繰り返し回数を指定します。
一番オーソドックスな記述をしてみます。
変数iに0から4までの数字が代入され、表示されます。
for i in range(5): print(i) #実行結果 0 1 2 3 4
・breakとcontinue
プログラミングをしていると、意図的に繰り返し処理から抜けたいときが出てきます。
このときにbreakを使います。
breakは、breakに到達すると即時に処理から抜けることができます。
また、ある条件下で処理をせずに飛ばしたいときは、continueを使用します。
continueは、continueに到達すると処理をスキップして、for文の先頭に戻り、次の処理を実行します。
実際の記述は以下のようになります。
変数 i が6になるとbreakで処理から抜けるので、6以降は表示されなくなります。
for i in range(10): if i % 2 == 1: continue #奇数はスキップされ、先頭に戻ります。 elif i == 6: break #6に到達すると処理から抜けます。 else: print(i) #実行結果 0 2 4
・活用例
最後は、Webスクレイピングのソースコードを例に実用的な使い方を紹介して終わりたいと思います。
利用シーンとしては、出馬表にある競走馬成績ページのURL取得を想定してみました。
一つ覚えておけば、応用できると思いますので参考にしてください。
コードはこんな感じです。
import requests from bs4 import BeautifulSoup url = requests.get('https://umano-ie.com/racesample/') #出走表サンプルのWebページを取得 soup = BeautifulSoup(url.text, "html.parser") umalist = [] #データを格納するリストを用意 for a in soup.select('td > a[href^="https://umano-ie.com/horsedata-sample"]'): #競走馬データのリンクを指定 urldata = a.get('href') umalist.append(urldata) #データをリストに格納 print(umalist)
リストに競走馬8頭分のURLが格納されていれば成功です。
・まとめ
Pythonのif文とfor文ついて、説明させていただきました。
プログラミングでは、条件に一致するときだけ処理させたいことや、繰り返し処理が必要な場面が多いので、どちらもよく使います。このあたりが書けるようになると、プログラミングの幅が広がるので、覚えておきましょう。
また、Pythonのtry文を解説した記事がありますので、興味ある方はご覧ください。

ご清聴ありがとうございました。