「今、Pythonを学ぶメリットにどんなことがありますか。」
「Pythonを学べばエンジニアになれる?」
上記の疑問にお答えします。
Pythonに興味はある人、これから学ぼうとしている人に向けて、Pythonのメリット・デメリットだけでなく、学んだ先の将来性などを含めて解説します。
具体的には、次のことをお伝えしたいと思います。
- Pythonのメリット・デメリット
- Pythonの将来性と需要
- Pythonを学んで良かったこと3選
「偉そうに語るおまえは誰やねん。」と思われるので、私のことも少し紹介させてください。
たいらーのプロフィール
- 文系四大出身。ソフトウェア開発の経験はなしですが、IT業界に身を置いています。
- 開発者やユーザーとのパイプ役など、業務にプログラミングスキルを活かす。
- Pythonは独学で習得。スクレイピングや作業の自動化などに勤しんでいます。
Pythonのことを理解したうえで、気に入った方は学習を進めてもらえればと思います。
1.Pythonのメリットとデメリット
今、Pythonを学ぶメリットについて語る前に、Pythonとはどんな言語か簡単に見ていきましょう。
・Pythonってどんな言語?
そもそもPython(読み:パイソン)は、1991年に登場したプログラミング言語で、プログラミング言語の歴史の中では比較的新しい言語です。
Python3が現在の主流であり、Unicodeサポートの改善やより効率的なエラーハンドリングなど、国際的な開発や大規模プロジェクトに適した多くの改善が施されています。
Pythonは、PandasやNumPyといった強力なデータ処理ライブラリが豊富であり、これにより大量のデータを効率的に処理することが可能です。
これはデータ分析の現場で非常に重宝されるため、データ分析を行う方にとって非常に魅力的な選択肢となります。
開発環境もWindows、Mac、Linuxといった主要なOSに対応しており、使用しているパソコンの種類を問わずにPythonを利用できます。
・Pythonのメリット
Pythonには次のようなメリットがあります。
・豊富なライブラリとフレームワーク
データ分析、ウェブ開発、機械学習など、幅広い分野で活用できる強力なライブラリとフレームワークが揃っています。
例えば、データ分析ではPandasやNumPy、機械学習ではTensorFlowやKerasが有名です。
これにより、開発時間の短縮と効率化が図れます。
他にも、Web開発であれば、DjangoやFlaskなどのフレームワークを利用して、効率的なWebアプリケーションの開発が可能です。
ビジネスアプリケーションの開発では、ウェブスクレイピングやデータ分析、デスクトップアプリケーションの開発など、ビジネスのあらゆる場面でPythonを活用することができます。
・シンプルで可読性の高い文法
Pythonはその読みやすさから、コードの共有やチームでの開発がしやすいことが特長です。
これは、データ分析の結果を理解しやすく表現する上で重要です。
・Pythonのデメリット
Pythonには次のようなデメリットがあります。
・実行速度の問題
Pythonはコンパイル言語に比べて実行速度が遅いことがあります。
しかし、実際のデータ分析やアプリケーション開発においては、ライブラリの最適化や、必要に応じて高速言語との組み合わせによりこの問題を緩和できます。
・インデントによる構文
Pythonはインデントを用いることでコードの構造を表現します。
これは初学者には直感的である一方で、慣れない人にはエラーの原因にもなり得るため、注意が必要です。
2.Pythonの将来性と需要
Pythonのメリットとデメリット、特徴について理解を深めていただけたかと思います。
次に、Pythonの市場における将来性と需要について考察します。
・Pythonの言語としての人気と将来性
Pythonのプログラミング言語としての人気について見ていきます。
TIOBEインデックスでは、2024年4月時点でPythonは1位にランクされており、前年同期も1位と非常に高い人気をキープしています。
エストニアや韓国など、国際的に教育分野でPythonの採用も進んでいます。
AI分野での需要の高まりや、「文法がシンプルで可読性の高い」といった、Pythonの学びやすさが採用の理由のひとつと推測されます。
参考:「諸外国におけるプログラミング教育に関する調査研究」(文部科学省平成 26 年度・情報教育指導力向上支援事業)
日本でも、ようやく2022年に高校の「情報Ⅰ」でプログラミングの学習がスタートしました。
Pythonはその対象プログラム言語としても選ばれています。
これらのデータから、Pythonは人気と需要が高いレベルで安定しており、将来性の高い言語と言えるでしょう。
・エンジニアとしてのPythonの需要
国内におけるPythonの需要を、JavaやPHPと比較して考察します。
主要な求人サイトとクラウドソーシングサイトでのデータを基に、Pythonの求人と案件の状況を見ていきます。
ここでは、ITエンジニアやWeb系エンジニアの求人を対象に調査しました。
データは、リクナビNEXT、ランサーズとクラウドワークメジャーどころを使用しました。
全件は確認できていませんが、求人や案件に記載されている「開発言語」がPython、Java、PHPのいずれかに一致するものを計上しています。(求人は「未経験歓迎」も条件に含む。)
時期などタイミングによって増減があるかもしれませんが、傾向は把握できるかと思います。(データは2022年5月15日のもの)
では実際に見てみましょう。
・求人数
Python:138件
Java:262件
PHP:147件
・案件数
Python:462件
Java:52件
PHP:901件
※ランサーズは件数が表示されないため、数字のみ。数字はランサーズとクラウドワークスの合算。
求人数ではPythonはJavaの約半数であり、クラウドソーシングではPHPに比べて大幅に少ないことが分かります。
やはり、AI開発や機械学習の分野では特化した需要が見られますが、求められるスキルは高いと言えるでしょう。
フリーランスとして活躍を考えている場合、Pythonだけではなく、複数の言語を習得することが重要です。
3.Pythonを学んで良かったこと3選
最後に、個人的にPythonを学んで良かったことを3つお伝えして終わりたいと思います。
・データ処理能力の向上
Pythonとそのライブラリ(特にPandasとNumPy)を活用することで、大量のデータを迅速かつ効率的に処理できるようになりました。
これらを習得することで、より複雑なデータセットを扱うことが可能になり、分析精度が向上します。
・自動化スキルの獲得
日常の反復作業やデータ集計、レポート作成などを自動化するスクリプトをPythonで作成する能力が身に付きます。
手作業でのエラーを減らし、時間を節約して他の重要な業務に集中できるようになりました。
・新たな分野への進出
Pythonの学習を通じて機械学習やディープラーニングなど、新たな技術分野の理解や、実際にチャレンジする道が開けます。
キャリアにおいて新たなチャンスを提供し、技術的な専門性をさらに深めることができるようになりました。
4.まとめ
以上でPythonのメリットとデメリットについてご紹介しました。
Pythonは実行速度の遅さや特有の文法が挑戦となることもありますが、そのシンプルさと高い可読性から、プログラミング経験が少ない方でも学びやすい言語です。
また、データ分析から機械学習まで、多岐にわたるライブラリがPythonの大きな強みとなっており、特にデータ分析の分野でその能力を存分に発揮できます。
「データ分析の技術を身につけ、業務の効率化を図りたい」と考えてPython学習を始めたい方や、「効率的な学習方法が知りたい」と感じている方は、『Pythonの独学ロードマップ【独学方法の経験談有り】』が参考になると思います。
このロードマップでは、私がPythonを独学で身につけた方法と具体的な例を共有しています。
Python学習は時に孤独を感じるかもしれませんが、効率的なガイドがあればその道のりはずっとスムーズです。
こちらの記事を参考にして、Pythonスキルを次のレベルへと引き上げましょう
ご清聴ありがとうございました。